ビジネスで成果を上げる コーチングスキルアップ CCJ

コーチングコラム

21世紀の人材育成への視点

第12回 : 目標管理のための実践コーチング(2)

最終回は前回に引き続き、「目標管理制度を健全に機能させるためには何が必要か?」に焦点を当てていきたいと思います。
MBO(目標管理制度)とは、「目標と自己統制によるマネジメント」だと言いました。
つまり自分でつくった目標を、自分で動いて達成する人を育成しなければ、MBOは機能しないのです。
それを可能にするコミュニケーション・スキルとしてのコーチングの全体像を掴んでいただきたいと思います。そこで今回は5つのビジネス・コーチング・ストラテジーをご紹介します。

1つめのストラテジーは、「パートナーシップを築く」ことです。
部下があなたと働きたくなるように信頼と理解を深めることが重要です。具体的には、このようなことをすると良いでしょう。

  1. お互いの期待を明らかにする。
  2. 注意深く耳を傾けて、相手の利害・関心・意見を理解する。
  3. 率直で機転の利いたフィードバックを与える。

2つめのストラテジーは、「コミットメントを呼び起こす」ことです。
大切な目標にエネルギーを集中させるように部下の意欲を高めることです。具体的な方法としては、このようなことが有効でしょう。

  1. 個人的な目標と価値観を明確にするように援助を与える。
  2. 組織にとって価値あるスキルは何か、またそれらのスキルがなぜ必要かを理解させる。
  3. 組織のプライオリティ(高い優先項目)に一致した学習目標を持たせる。

3つめのストラテジーは、「スキルを向上させる」ことです。
ステークホルダー(利害関係者)が期待する成果を確実に作り出すためにコンピテンシーに基づいてスキルを向上させることが大切です。具体的には、このようなことを実践してください。

  1. スキルの学習と実践のためのセミナーを紹介する。
  2. 効果的にスキルが使われている現場を観察できる機会を提供する。
  3. 部下が新しいことをストレッチして学ぶ機会を与える。

なお、ストレッチとは背伸びしてギリギリ届くような範囲への挑戦のことです。

4つめのストラテジーは、「励まして継続させる」ことです。
習慣は第二の天性といいます。習慣になるまで根気よく訓練を続けて、学習したことを確実に仕事で活用することが大切です。
そのためには、このようなことを実行していくと良いでしょう。

  1. 部下がスキルを試せるように、新しい機会を見つける。
  2. 部下を勇気づけて、安全圏から出て新しい行動をとるように押し出してやる。
  3. 部下の進歩を認識させ、自己承認を深めるためにフィードバックを与えつづける。

5つめのストラテジーは、「環境づくりをする」ことです。
組織的なサポートをつくり、学習に報い、障害を取り除くことが大切です。コーチングを大切にし、それが評価される環境がないと、マネジャークラスの人たちは自分たちの業績のみに目が向き、長期的な人材育成を後回しにしてしまいがちです。具体的には、

  1. 自分自身あるいは他の人を開発した人を公式に承認し報いる。
  2. 部署のビジネスプランやマネジメントの実践の中で、人材育成を常に強調する。
  3. 部署内外の人材交流を通じて、学習していくプロセスを確立する、ことなどが上げられるでしょう。

「人材育成のコツを一言で言うと何ですか?」と少々乱暴な質問を受けたことがあります。私はこのように答えました。「実行責任を取らせることです。」
実行責任を取らせるためには、何をやり遂げるのかという部下の意志に耳を傾ける必要があります。言ったらやる、ということです。
上司は全体の方向を指し示しながらも、部下自身の自発的なコミットメントを呼び起こします。何に責任をとるのかを部下自身が決めるのです。
コーチングはリーダーシップの機能の1つです。優れたリーダーは、自ら言行一致を生き、他の人々を援助することを通して、リーダーを生み出すのです。

さて、「21世紀の人材育成への視点」ですが、ここで終了です。皆様のご成功をお祈りしています。

コーチング,コンサルティング&トレーニング
コォ・クリエイト・ジャパン Inc.
シニアトレーナー 田近秀敏

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