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コーチングコラム

21世紀の人材育成への視点

第5回 : リーダーシップを発揮する人材育成(1)

「私のような人材を増やすのだ!」こう言って、カルロス・ゴーンさんがニッサンの幹部社員たちに説いて回ったといいます。

さて、「私のような人材」とはどういう人材でしょうか。瀕死状態の組織をわずか2年で立て直していく豪腕の持ち主。こう言ってしまうと天才的なカリスマをイメージしてしまうことでしょう。
ですから、ここではこう言っておきましょう。「私のような人材」とは変革をリードできる存在、つまりリーダーです。

P・F・ドラッカー博士はこう言っています。少し長いですが引用します。
「多くの企業やその成長戦略が頓挫するのは、『昨日』という亡霊にとらわれ、過去の暴威に屈し、『昨日の正しいこと』に捕まえられているからだ。不滅のもの、不死身のものは何もない。自己の生み出した排泄物を除去できない組織は、その洪水の中でへたってしまう。だから、昨日の呪縛から離脱するには、昨日の中から非生産的なもの、陳腐化したもの、老朽化したものを、蛮勇を持って取り去ることである。リーダーはこれを断固として実行しなければ、組織は死滅への道を辿るのみである。」
(`The Boardroom` Jan.1985)

カルロス・ゴーンさんが変革をリードする存在として取り組んでいることは、まさにこういうことではないでしょうか。
「今日の組織は、管理過剰(over-managed)にして、リード不足(under-led)であるという認識が強い。」
ウォーレン・ベニス博士の発言です。
すでに敷かれているレールの上を既定の方針を墨守して何とか組織体の均衡を取っていく.....こういう組織の維持、保持者としてのマネジャーも大事ではありますが、現代のような大困難期、大変革期には、枠から出て、人々の意欲を駆り立て、ビジョンを示し、その共有を促し、新しい選択肢を提供してくれるリーダーこそが求められているのだ、という認識を示しています。

そのベニス博士は、リーダーの持つべき能力のひとつとして「意味のリーダーシップ」を上げています。これは、ビジョンを他の人々に伝え、人々を目標に向けて、動員する能力のことです。私が企業でリーダー育成を担当するときに重視する要素のひとつです。
ビジョンなくして、リーダーシップなしと言って良いでしょう。自分のビジョン、夢、意図、狙い、構想、方向に人々をひきつける能力を示すことなくしては効果的なリーダーシップを取ることはできません。

このように聞くと、自分に能力さえあったらリーダーとして生きてみたいと思われるかもしれません。
実際、リーダーらしい振る舞いを頑張って演じている管理職は多いものです。
でも心のそこから「私はリーダーである。」という確信を持っている人は多くはありません。それはリーダーであるということに誤解を持っているからです。リーダー育成はこの誤解を氷解することから始めなければなりません。

さて、次回はリーダーシップを発揮する人材育成プロセスについて少しだけお話したいと思います。

第6回 : リーダーシップを発揮する人材育成(2)

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