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コーチングコラム

21世紀の人材育成への視点

第7回 : マネジャーを育成する(1)

マネジメント、実に大きなテーマです。
前回はリーダーシップを発揮する人材育成についてお話いたしました。リーダーシップとマネジメントは組織運営には欠かせないものです。それらは基本的には後天的な才能ですから学習する必要がありますし、学習によって効果的になりうるものです。
管理職としては、しっかりと学んでおきたい内容です。

マネジメントは組織の巨大化と複雑化に対応して整備されてきたものです。
産業革命以来の企業の大規模化と軍隊の近代化に伴ってマネジメントはその機能を鮮明にしてきました。
マネジメントとは何でしょうか。マネジメントとは、委任された部門において、組織の目標を達成するために、限られた経営資源(人、物、金、情報など)を有効活用して、ステークホルダー(利害関係者)から期待される成果を上げることです。マネジメントの対象は、組織、人間、資金、設備、機械、原材料、情報、方法、時間などです。

ところで「ステークホルダーから期待される成果」ですが、マネジメントにおいては上司から具体的に何を期待されているのかを知っている必要があります。経営理念、経営戦略、部門目標などに基づき、それらへの一貫性を持って個別の目標が成り立つわけですから、部下たちに具体的な期待を明確に伝えて同意を取っておく必要があるのです。
そうでないと、部下は推測によって仕事をする時間が長くなり、効率的ではなくなるのです。

マネジメントに期待されている機能としては、以下のものがあるでしょう。

  1. 予測(情報の収集と選択)
  2. 計画(目標の設定と行動計画の立案
  3. 組織化(目標達成のための組織化
  4. 指令(方向づけ)
  5. 統制(計画の推進、測定と評価)
  6. 調整(組織を円滑に機能させる)
  7. 革新(達成のために改善、創造する)
  8. 育成(後継者、代行者の育成)

多少、リーダーシップ機能も含めていますが、これらはマネジャーになった人には押さえておいてほしいポイントではないでしょうか。

ここでまとめますと、マネジメントの役割は、成果を上げることです。
具体的には組織の使命に則って成果を上げること。その過程で人を活かし自己実現へと向かわせること。それらを通して社会への貢献を果たすことです。そしてそのために資源を組織化することがマネジメントの最大の機能です。
ですからマネジャーは、「組織の成果に責任をとる人」と言えるでしょう。

マネジャーの育成には、マネジメントの全体像への実践的理解が欠かせません。つまりマネジャーたる人は自社の事業目的の定義、目標設定、戦略計画と組織的実行へのプロセスを組織化するという現場の仕事の中で理解し鍛えられるものです。全体像を理解した人にとって、 PDCAサイクルは意味のある有効なものになります。

PDCAサイクルはマネジメントを担当する人には必須のツールです。P (計画)、D (実行)、C (検証)、A (分析と是正処置) というサイクルは1年間でも、1週間でも、あるいは日々の仕事においても当てはめて見ていくとうまく行きます。このサイクルによって仕事の効果性が高まりますから、これはマネジメントの基本的実践と言えるでしょう。

さて、次回はマネジャーの仕事と技能についてお話しましょう。

第8回 : マネジャーを育成する(2)

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