ビジネスで成果を上げる コーチングスキルアップ CCJ

コーチングコラム

相手を勝利に導く"ビジネスコーチング"とは(2)

コーチングで人を勝利に導く

数年前のある日、私のオフィスに生命保険会社の営業担当者が訪ねてきました。熱心に商品説明をしてくれました。
私は興味を示しているのに彼女がなかなかクロージングしてこないのが気になり、彼女に「どのくらいの営業成績ですか?」と尋ねました。すると全社員の平均よりも少し上という答え。そこで「何を目指しているのですか?」と質問しました。彼女は「MDRTになりたいです」と答えました。MDRTとはミリオン・ダラーズ・ラウンド・テーブル、要するに成績上位者に与えられる称号です。生命保険業界の営業担当者にとっては憧れの称号でしょう。彼女に「いつまでに達成しますか?」と聞くと、しばらく考えてから(つまり彼女は決めていなかった!)、「3年後には」と小さな声で控えめに答えてくれました。そこで私は「3年もかかると信じているのですか?」と質問しました。この質問には「もっと早く達成できるはずだ」という暗示が含まれています。やがて彼女は「来期に達成します」ときっぱり言いました。「本気ですか?」と返しました。「はい、本気です」とまっすぐに視線を合わせてきました。

そこで私は短い時間でしたがコーチングさせてもらいました。「クロージングのチャンスがあったのにもかかわらず話題を変えて情報提供しつづけたのは何を恐れていたからですか?」「私には保険に関するニーズがあると思いましたか?」「では私のウォンツは何だと思いますか?私は具体的に何を求めていると思いましたか?」「どのように提案をしたら私はもっと興味を持ったでしょうか?」「同じような状況がもう一度あったらどのようにクロージングしますか?」「成果を2倍にするためには何をしたら良いと思いますか?」などいくつかの質問をしました。30分後、彼女は元気いっぱいにオフィスを出て行きました。その後も数回コミュニケーションを取りました。そして翌年、彼女はMDRTと金色文字で印刷された名刺を持って挨拶に来てくれました。

ビジネスコーチングとは、部下後輩の指導育成のための関わりの中で、とりわけ目標達成・問題解決・技能向上の促進を援助するコミュニケーションであると定義できます。

コーチングの基本は「聴く」と「訊く」という両輪でコミュニケートすることです。つまり傾聴することで相手を受け入れ、理解し、そして効果的な質問をすることで相手から気づきと新しい選択肢と責任意識を引き出すのです。優れたビジネスパーソンは自発性があり最適なことを最適なタイミングで実行している人です。そして部下を好業績者に育てるためには、そのための考え方と関わり方が必要なのです。

コーチングと対比できるのが、ボス型のマネジメントです。彼らは指示・命令・恫喝・アドバイスという一方通行のコミュニケーションで相手を動かそうとします。そして多くの場合、それでは相手の自主性や対応能力が育たないのです。

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