熱心な聴き手であることが理解され、話が盛り上がるだけでは商談にはなりませんね。
顧客の課題解決のゴールに向けたアクションを起こす必要があります。
インタビューをする側=コンサルティングをする側は、顧客の目標は何か、そして現実に起きていることは何か、それを質問によって明らかにしていくのです。
目標と現実とのギャップを、問題といいます。質問によって目標と現実のふたつの情報を自ら語った顧客は、ギャップ=問題が有ることを認識します。これが問題意識です。問題意識を持つと解決したくなる。その自発的な意欲こそがモチベーションなのです。
ここまでが、やっと最初の段階。ここで初めて「では、このギャップをどう埋めていきますか?」という質問や「このように埋めましょう!」という提案が可能になるのです。
顧客の側にも「私はこういうやりかたで埋めたい」という考えがあるかもしれませんが、それに加えて「いくつかこちらからご提案してもいいですか」、「私の提案を聞いていただけますか」と援助者としての立場から提案できる段階に来たのです。
この段階では、現状と目標を把握し、問題や課題を認識したのも、複数の選択肢から最善の解決策を選択するのも顧客自身であるというスタンスが確立しています。
そして「課題解決の主人公、主体者はお客さまであり、私どもは持っている技術を精一杯使ってお客さまを援助しますからご安心ください」──という立場からのソリューション提案は、まさに「顧客主語」の1例となるのではないでしょうか。「顧客主語」というのはキヤノングループがソリューションビジネスの土台として大切にしている考え方ですね。