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コーチングコラム

インタビュー技術を学ぼう (2)

ニーズとウォンツを見極める

ある日、生命保険会社の営業担当者がアポイントを求めてきました。
そこで1時間だけということで来てもらいました。
実は、私にはニーズがあったのです。契約済みの複数の生命保険の見直しをしようと思っていましたから。
そこで他社の保険証書なども見せて、見直しのための情報提供をお願いしながら、私は熟練した営業担当者ならばクロージングのチャンスと捉えられる会話を5回ほど提供しました。
ところが彼女は、そのチャンスを3回見逃しました。
他の2回のチャンスについても本人は気づいたようでしたが、クロージングせずに、話題を変え、もっと説明をしようとしました。
その説明を私は望んではいなかったのです。

そこでこの人は天性の話の巧さを持っていますが、セールスのトレーニングは受けたことがない人だなと分かり、彼女の商談をさえぎり聞いてみました。

「あなた、どれくらいの業績ですか?」
という質問に、全社員の中間よりちょっと上という答え。
私は質問を続けました。
「私にはニーズはあると思いましたか?」
「ええ、あると思いました」
「どうしてわかりましたか?」
「多くの質問をしていただきましたし、こうして(書類を)出してくれましたから」
「そうですね。では今の私のウォンツは何ですか」

ニーズとウォンツとは違うものです。
「ニーズに応える」とよく言われますが、実際にはニーズに応えるだけではビジネスにならない。
たとえば「のどが乾いたよ」と言う人がいれば、これはニーズがあることを示唆しています。その時に「いま私が持っている商品としては、お茶と水とコーヒーと紅茶が有りますがどちらになさいますか」と言って初めて「ああ、実はお茶が欲しかったのです」という反応が返ってきます。
「のどか乾いた(渇きを癒したい)」がニーズで、「お茶がほしい」がウォンツ。ここにフォーカスをして初めてビジネスが成り立つのです。

その女性の答えはこうでした。
「いやちょっと……。ニーズがあることは分かりましたが、でも具体的に何を求めているかは……」。
私は言いました。
「私のウォンツは、あなたに早く帰って欲しい、ということです。なぜなら、私は忙しいので1時間という約束をしましたね。あなたがすべきことは、早く私のオフィスを出て、私向けの提案書をいくつか作成することだったのではないですか」
その時すでに 1時間20分くらいたっていました。彼女は自分が話したいことを話し続け、ビジネスチャンスを逃したのです。
このことから分かるのは、結局は「自分のため」の営業をしていて、私のための営業をしていない、ということです。

セールスとは何か。
最初に言いましたが「顧客の問題解決のための援助をする」ことです。
「売りたい」という自分のウォンツを満たすことに精一杯になっていて、顧客のニーズやウォンツを見逃せば、顧客の問題解決には役立たない存在でしかないのです。
逆に顧客のウォンツや問題にフォーカスし、フェアな提案をすれば、問題解決したい顧客は、その提案の中から選択することができるというのに。

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